ひとり考

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     25日はKANさんのライブへ行った。アルバム「tobiuo piano」にて「東京ライフ」をカバーして以来、ライブでもう30回くらい歌わせてもらっているので、一度ご本人にもご挨拶しなければ、と思ったのだ。弾き語りツアーの追加公演@浜離宮朝日ホール。内容は、実に素晴らしかった。噂以上に面白トーク炸裂で、その反面、演奏や動きはすべて気品に富んでいる。紅茶を胸元で持っていそうな。終演後、楽屋にてご挨拶。あれほどまでのピアノを操ったあとの姿は、まるで世紀の大実験を終えたばかりの科学者の様。いや、コックピットを降りた宇宙飛行士か(どことなく毛利さんにも似ている)。
     KANさんは語学勉強が趣味らしく、英語も中国語も流暢だ。そして、数年前までフランスに滞在し、そこでクラシックピアノを学び直していた。かつて90年頃にシンガーソングライター御三家と呼ばれていたKANさんとマッキーと、さらに大江千里さん、その大江さんは今ニューヨークでジャズピアノを学んでいる。「学びは永遠」という言葉がよぎる。
     この年末は忘年会にはあまり行かず(お酒を飲むと喉がイガイガしてしまい、以前ほど楽しめなくなったというのもあり)、今年を総決算するかのように毎日ピアノに接することにした。言葉を変えれば塞ぎの虫。不健康きわまりないのだが、とにかく学びたいことが多すぎる。しかしそのわりに、どうにも頭の整理が付かないこのごろである。
     これはもう発散するしかないとばかりに、29日、目黒クラスカにて。時間も気にせず、よく喋りよく歌った。気持ちがよかった。しかし少々風邪をこじらせていたため、真っ赤な鼻をしていたようである。遅れてきたトナカイ。奇麗に並べられたワイングラスを横目に、すごすごと街をあとにする。
     30日、渋谷にてbonobos辻君のユニットShleeps(featuring Quinka,,,)を見る。ドラムひとりきりで、パッドにサンプル音源を仕込ませてアンサンブルを聴かせる。このごろちらほら見受けられるスタイルだ。そのあとはSUIKAのタケウチカズタケくん。ウーリッツァにサンプラーをしこたま乗せ、これまたひとりで熱いクラブサウンドを繰り広げる。
     かたや一人パフォーマンスの多かった今年の自分。学ぶべきことは自分のなかにあるのか、外にあるのかと自問自答してきたような1年だった。年越しを目前に控え、思い出したように埃のかむった石板を磨く。そこに最初に何を刻んだのか、確かめる必要がありそうだ。

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